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| Artist: | Various artists |
| Title: | Album summary |
| Series: | Album- Japanese Selected Woodblock Prints |
| Date of first edition?: | 1923-1926 |
| Publisher (first edition)?: | Nippon Gasui-Sha (Japan Print Purity Company) — 日本畫粹社 |
| Publisher (this edition)?: | Nippon Gasui-Sha (Japan Print Purity Company) — 日本畫粹社 |
| Medium (first edition): | Woodblock |
| Medium (this edition): | Woodblock |
| Format (first edition): | Not Set
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| Format (this edition): | Not Set |
| DB artwork code: | 38987 |
| Notes (first edition)?: |
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| Notes (this edition)?: |
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Tuesday, 14 March 2006
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日本画粋『日本木版画粋』大正末年(当方の所有物では第1号=大正12年、第30号=大正15年。以降昭和数年まで何度か発刊されたようです)に発刊された浮世絵など木版画の名品を復刻した木版印刷物です。 発行兼編集人:山田信太郎 印刷人:エムジヨネー オカダ 印刷所:日本木版印刷株式会社 発行所:日本画粋社
復刻浮世絵『日本木版画粋』展示室 大正時代;浮世絵の復刻 外国人が"日本の美"を見出して初めて自分たち日本文化を再評価するということは少なくありません。"根付"しかり"古布"しかり。浮世絵はその最たる物で、文明開化後外国人にモテ囃された後、日本国内で再評価が進むという経緯から多くが海外に流出してしまったのはご周知の通りです。大正時代のこと、木版画・浮世絵を再評価する機運の中で、出版されたのが、今回の品、日本画粋社『日本木版画粋(第1~40号)』です。
『日本木版画粋』 大正時代の木版画で、浮世絵の復刻版という意図よりも、当時の木版画技術の粋を集めた図録的な性格が強いもので、オリジナルは木版ではなく肉筆ではないか?というものまで復刻としてラインナップされています。市場を意識した浮世絵のリメイクを意図しているならば、美人画・役者絵・相撲絵・春画などが大半を占めている筈です。俗臭を嫌った鑑賞物として高尚な図が並び、第1号の1枚目という記念碑的な箇所に、藤原隆兼の仏師の職人図を持ってくるという所に、実直にして頑迷な編集センスを感じます(笑)。 機械による多色刷り印刷もあったであろう時代に、版木は彫りなおし手で刷るという手を掛けた仕事(数十度摺)は大正時代の職人魂であり、見ごたえがあります。 在野にまだまだ転がってをり、それほど骨董的価値があるものとは思われない品ですが、"資料"として、そして単純に綺麗な図録としてここに掲示したいと思います。
発行当時の定価は、1号パッケージ(3枚セット)=1円20銭(現代の貨幣価値に換算して、諸説ありますが、およそ6000円くらいでしょうか)(後値上がりして2円)。40号連続で買うとなると現代の貨幣価値では24万円くらいになります。高級品!。版ズレ、色かすれなどほとんど見受けられず、また描線の繊細さは見事です。あくまで復刻版ではありますが、江戸から脈々と続く木版印刷技術の最終到達点として、現代において木版技術の復刻にとりくんでいる方々には資料的な価値があると思います。 ※補記 本製品発刊時は旧漢字表記のため、本来の商品名は『日本木版畫粹(書の日に変えて画の字の一部)(米偏に卒)』ですが、文字化け、検索性等を考慮して『日本木版画粋』と現代人に認知度の高い漢字を使用しています。転記引用その他の場合も、現代的な用法の漢字に改めています。
特徴 社の2周年を記念した差込のビラが入っており(19号に入っていました)、そこに体裁の詳細な説明が記載されています(右図版参照)ので、データとして起しておきます。 『用紙:鳥子ノ紙、 大キサ:横2尺縦尺5寸、 印刷:木版数十度摺、 体裁:極彩色台紙張リ、 定価:金2円也、 表装付:金7円也、 送料:金18銭也』 ・『日本木版画粋』は紙が厚い。江戸時代の紙とくらべてかなり良質の紙が使用されていますので、バレン等刷り込み時にできる"裏写り"がほとんどありません。 ・独特のシミが出る。『日本木版画粋』は総じて斑らに茶色いシミが浮きます。おそらく紙質のせいかとおもわわれます。
趣意 また、劣悪類似品に対する糾弾のビラが18号にはいっており、この出版物に対する社の立場と製作趣意がよくわかります(以下に転記)。また、当時続々発行されたである復刻浮世絵集の実態も垣間見え、面白いです。 『 会員諸君に謹告 年改まり此処に芽出度き新春を迎へたる事を喜び同時弊社は木版浮世絵界の革清の為に一層の奮起致す次第であります 弊社創立以来此処2年有余未曾有の発展をなし斯界に非常なる好評を博して居ります 然るに近来弊社発展に垂涎したる一部同業者はやまと版画並に国粋浮世絵傑作集の名稱の下に二社共大同小異の俗悪極まる版画を発行しつつあるもその業振ざる為弊社に対し悪宣伝に汲々たる有様で実に卑劣極まるものであります 斯る宣伝に迷ふが如き会員諸子は殆ど皆無でありませうが然し皆様の為此処に弊社の版画の特長に就いて概略申上る次第で御座います 他社の版画は徒らに手摺りを標榜しつつあるも拙劣なる彫刻師に摺師が場当り的悪技を弄し貴重なる原画を勝手に改造し「バレン目」や「ゴマツキ」を乱用したる複製品を得意がって居りますが之は許すべからず芸術の異端者で我国浮世絵芸術の冒涜も甚だしいものであります 然もコロタイプの如き写真類を利用し其れをバレン目で素人向きの木版摺りに見せて瞞着するが如きは吾等をして唖然たらしむる有様でございます 当今の彫刻師の技術と摺刷者の技工は昔に劣るものではなく却って今日の方が昔より発達しており絵具も昔使用せし物は今日無い事はないのであります 只其の得られない即ち貴重なるものは摺ってから数十年数百年経って完全に保存された物であります 然るに他の複製品は徒らに古く見せんが為又最上に保存せられたる完全なる原画を手に入るる事出来ざる為止むなく複製品の再複製を作って満足せねばならぬ有様である 然らざれば誠に不完全な作品の複製品の外作る事が出来ない状態であります 以上の欠点を除き理想を完全に実現して居るのは従来刊行して江湖に非常な歓迎を受けて居る「木版画粋」及「浮世絵大鑑」たることを敢えて断言いたします 大鑑は斯界の権威者三厚繁吉落合直成井上和雄等諸氏の編集助言の下に発行してるのは弊社の最も誇りで有り又会員諸子の鑑賞に非常なる強みであります 会員諸子の中にも美術学校都下各大学教授を初め各国大使館あらゆる方面の研究者を網羅して居るのは他社の比較ではありません 是非同志の方に精々御紹介被下末長く御引立ての程御願申上ます
東京市京橋区元数寄屋町4ノ6 日本画粋社 大光社 』
● 今回の品 日本画粋『日本木版画粋』大正末年(当方の所有物では第1号=大正12年、第30号=大正15年。以降昭和数年まで何度か発刊されたようです)に発刊された浮世絵など木版画の名品を復刻した木版印刷物です。 発行兼編集人:山田信太郎 印刷人:エムジヨネー オカダ 印刷所:日本木版印刷株式会社 発行所:日本画粋社
『日本木版画粋』第1号パッケージ
包装紙オモテ・ウラと奥書
台紙に半透明紙
半透明紙に作者略歴を記載(日本語英語併記)
19号差込ビラ(体裁)
18号差込ビラ(謹告)
[目次] TOP 店について おもしろ骨董小咄 タウンマップ 骨董LINK ● 第1号 藤原隆兼 『仏師図』 玉蘭斎貞秀 『凄艶の美人』 勝川春章 『商売の婦人』
● 第2号 藤原隆兼 『経師図』 細田(鳥文斎)栄之 『艶姿二人美人図』 鳥井清長 『男女讌楽図』
● 第3号 葛飾北斎 『雷雨の富士』 勝川春章 『竹林七美人図』 喜多川歌麿 『両国橋の涼み』(1)
● 第4号 細田(鳥文斎)栄之 『雪中の美人』 渡辺省亭 『烏瓜』 藤原隆兼 『傘師図』
● 第5号 土佐光起 『纐纈師』 完山静仲 『紅花』 安藤広重 『諸国名所 河内・男山』
● 第6号 安藤広重 『和泉国 高師の浜』 藤原信実 『三十六歌仙 中務』 銭舜挙 『鼠と瓜』
● 第7号 喜多川歌麿 『両国橋の涼み』(2) 藤原信実 『三十六歌仙 坂上是則』 宮川長春 『春郊』
● 第8号 菱川師宣 『歌舞伎』 藤原信実 『三十六歌仙 律詩素性』 奥村政信 『小倉山』
● 第9号 王若水 『紅椿』 土佐光起 『畳師図』 守清 『廓』
● 第10号 細田(鳥文斎)栄之 『読書』 英一蝶 『布洒図』 安藤広重 『諸国名所 摂津・住吉』
● 第11号 狩野尚信 『雄鶏』 喜多川歌麿 『美人愛敬競』 川又常行 『夜の街』
● 第12号 安藤広重 『諸国名所 近江・石山寺』 宮川正幸 『遊興図』 北尾政美 『花扇図』
● 第13号 歌川豊春 『水楼遊宴図』 寺崎広業 『唐美人』 (酒井)抱一上人 『雉』
● 第14号 歌川国久 『洗い髪』 土佐光起 『形置師』 円山応挙 『孔雀』
● 第15号 蹄斎北馬 『秋郊美人』 大津絵(作者不明) 『藤娘』 土佐光起 『白菊黄菊』
● 第16号 司馬江漢 『美人』 安藤広重 『諸国名所 伊賀・上野』 (酒井)抱一上人 『ひなけし』
● 第17号 作者不明(伝:懐月堂派)(編集者注記:奥村派)(説明書きに仙台市恩慶寺所蔵と記載) 『春装美人』 宮川長春 『萬歳』 作者不明(説明書きに唐書所載と記載) 『牛』
● 第18号 鈴木春信 『炬燵の二美人』 喜多川藤麿 『雪中美人』 土佐光起 『職人合 刀師』
● 第19号 作者不明(編集者注:鈴木春信) 『桜花の美人と奴』 王若水 『百日紅』 近藤清春 『評書図』
● 第20号 勝川春章 『美人』 土佐光起 『職人合 革師』 古山重政(編集者注:作者不明。古山派の師重、師政を合わせて洒落たか?) 『娘道成寺』
● 第21号 蹄斎北馬 『花魁と禿』 安藤広重 『諸国名所 尾張・島津天王祭』 伊藤若冲 『双鶏』
● 第22号 土佐光起 『職人合 鍛冶師』 伝 岩佐又兵衛 『春郊喜々図』 狩野玉楽 『鷺』
● 第23号 鈴木春信 『八ツ橋』 土佐光起 『伊勢物語の一節』 東洲斎写楽 『瀬川富三郎と中村萬世』
● 第24号 (尺鳥鳩斎)栄里 『金魚蜂と持つ女』 安藤広重 『大橋の雨景』 梅祐軒勝信 『結髪』
● 第25号 葛飾為一(北斎) 『三島越富士景』 玉蘭斎秀貞(歌川貞秀) 『団扇絵花鳥』 喜多川歌麿 『六玉川』
● 第26号 英一蝶 『盆踊り』 鈴木春信 『相合傘』 土佐光起 『大工師』
● 第27号 歌川国直 『浮絵浅草図』 五渡亭国貞 『柳下美女』 喜多川歌麿 『美人相観』
● 第28号 欠
● 第29号 歌川豊国 『菊見の美人』 土佐光起 『矢細工師』 渓斎英泉 『木曾野尻景』
● 第30号 伊藤若冲 『鸚鵡』 川又常正 『追羽子』 宗馬遠 『高士隠処』
● 第31号 安藤広重 『諸国名所 伊勢・朝熊山』 河鍋暁斎 『美人と鐘鬼』 葛飾北斎 『夢』
● 第32号 作者不明(英泉?) 『鏡を持つ女』 葛飾北斎 『雨乞ひ』 狩野元信 『銀梅花』
● 第33号 菱川和翁(師童・風葉軒) 『野辺』 土佐光起 『藁師』 山口素洵 『雨中の美人』
● 第34号 古山師政 『ほととぎす』 英一蝶 『白猫』 歌川豊広 『浴衣の美人』
● 第35号 喜多川歌麿 『音信れ』 弄春斎栄江 『蚊帳の美人』 作者不明(伝:岩佐又兵衛) 『人間七辟』
● 第36号 月岡雪提 『唐美人』 懐月堂度辰 『美人』 作者不明(土佐派?) 『道中双五六』
● 第37号 古山師胤 『編笠の美人』 石垣抱真 『秋草』 土佐光起 『弓師』
● 第38号 作者不明(明治初年頃・国芳?) 『雪中美人』 葛飾北斎 『狸』 安藤広重 『諸国名所 志摩・日和山』
● 第39号 尾形光琳 『養老瀧』 菊川英泉 『松』 宮崎友禅 『鴛鴦』
● 新年号附録(39号中に付随して発見)
説明記載なし(新作か?)
● 第40号 松涛 『潮汲み』 葛飾北岱 『三味の美人』 無名 『美人と遊鯉』
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